2006年7月に厚生労働省が策定した運動指針は、メタボリックシンドロームを予防し健康な毎日を送るために必要な運動を示しています。この運動指針は、ジョギングやスイミングなどの能動的な運動だけでなく、通勤通学時の歩行や家事、階段の昇り降りなども運動としてとらえます。意図的に激しく体を動かさずとも、日々の生活に運動をしているという考え方です。無理のない範囲での運動を毎日欠かさず行うことによって、健康を増進しメタボリックシンドロームにならないようにすることができます。予防のために運動をしたいと考えてはいるものの、メタボリックシンドローム予防の運動まで手が回らない人もいます。無理なく運動量を増やすためには、生活の中で活動する部分を広げるところから始めましょう。生活活動には洗濯や炊事、オフィスワークや立位なども毎日の活動として換算することができます。意識的にする生活活動には歩行、床や庭の掃除、子供と遊ぶこと、介護などが含まれます。運動の強さをメッツという単位ではかることで、厚生労働省の運動指針は運動量を数値化しています。エクササイズという単位は、時間にメッツをかけたものを現しています。家財道具の片付け、大工仕事、梱包などは3メッツで、3メッツの運動を1時間続けることは3×1で3エクササイズに相当します。3メッツ以上の運動を、1週間に23エクササイズ以上行うことが、メタボリックシンドローム予防にいいとされています。